アンテナの語源とは

電波が使われ始めたばかりの頃、ほとんどのアンテナは空中に張られた導線でした。そのため当時、アンテナは英語では「空中線」を意味する「エアリアル」という言葉で呼ばれていたといいます。

いつの時代から、誰がアンテナと呼び始めたのかはわかっていませんが、無線通信の先駆者であるイタリア人が最初だという説が有力です。このイタリア人は1850年代、スイスのモンブラン地方にあるサルバンで、2.5メートルのポールに導線を吊るした空中線を用いて電波送受信の実験に精を出していました。この実験のときに、空中線をアンテナと呼ぶようになったそうです。

元来、アンテナは昆虫でいう「触覚」のようなものです。昆虫の触覚は空中の気流や熱、音などを察知する感覚器官です。一方、現在のアンテナの多くは細い金属製の棒で、空間の微弱な電波をとらえるという仕組みですので、触覚に似ていることがわかるのではないでしょうか。

現在、私たちの身の回りにはさまざまなアンテナがあります。アンテナ工事中の光景を目にすることもあります。ただ、身の回りにあるといっても目に見えるアンテナばかりではありません。もちろん街を歩いていると目に入るものもありますが、端末に入っている内蔵アンテナなど、ひと目見ただけではわからないものもたくさんあります。